後援●文化庁 協賛●株式会社エーエス 近年、国際的な作品の航空輸送をともなう美術展覧会の開催は、世界中で頻発する紛争やテロ行為と無関係ではいられず、文化遺産は絶えず大きな危険にさらされている。これは、美術館・博物館に収蔵される作品が文化の象徴として攻撃目標とされやすく、高い経済的な資産価値を持つためである。本来美術館は、鑑賞者の利便性を考え、優れた美術品の集積場所となっているが、危機管理の観点からみると、美術館・博物館は、その存在そのものがハイ・リスク施設ということになるだろう。 本シンポジウムでは、2002年夏、中・東欧地域で起こった歴史的な大洪水で甚大な被害を受けたドイツ、ドレスデンからお客様をお招きして、アルテ・マイスター絵画館が大洪水に見舞われた当日の混乱と作品避難の状況について、また、美術館業務再開へ向けての復旧作業とその後の危機管理体制の見直しに ついてお話をうかがう。同時に、ロサンジェルスのゲティ財団からは危機管理の担当者をお招きして、美術館・博物館が備えるべき災害対策とはどんなことなのか、講演していただく。 日本全国の美術館・博物館において、収蔵品に関する危機管理マニュアルを策定することは急務である。このシンポジウムをきっかけとして、わが国の美術館・博物館で災害時の危機管理意識が高まることを願ってやまない。 【発表者変更のお知らせ】 ※当初予定しておりましたドレスデン美術館 博物館群・事務総長のD.ブルクハルト氏は、本人急病のため施設管理部門主席技術者のM.ヨーン氏と変更になります。ご了承ください。 |
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